住宅をみる旅2:観光地編

前回に引き続き、ブルガリアの首都ソフィアから、旅の報告です。

今日は、ブルガリアから、120kmほど北に位置するリラの僧院からスタートします。
前述した、「ななめ」なものたち、大らかで心ほぐれる景色に出会いました。

 


10世紀に修道士たちの手で建設された建物だそうです。
宗派は正教会、壁という壁に聖書に記述されている場面が漫画のように描かれています。


キリスト教と頭では分かっていても、聖堂内は何故か釈迦っぽい雰囲気があるのでとても不思議でした。
黄金のシャンデリアや、祭壇の作りの細部が日本のどこかで見たような、、、
タイのようなバリのような、、、なんとも形容しがたい装飾です。
西洋と東洋が混じっているような不思議な光景でした。

リラの僧院は、上の写真の聖堂を中心として周囲を僧の住居が取り囲んでいる形です。
住居がまたとても変わっています。シマシマ模様もさることながら、、、

また、すてきな「ななめ」を見つけました。
うーん、「ななめ」というよりもラフさ、、、と言った方が近いでしょうか。


壁の模様に、手書きの味わいがでてます。
水平、左右対称なんて、気にしてない感じです。
世界遺産の僧院ということで、厳格な雰囲気をイメージしていたのですが、
このような手書きのイラストのような模様を入り口で何カ所も見ることができます。

聖堂の荘厳さに見入ったかと思えば、住居部分の壁模様に心和み、なんとも不思議な場所です。
この僧院は山奥なので、雪が残り、とても静かなのも印象的でした。

さて次の「ななめ」のご紹介。


奥に行くほど狭まる不思議な部屋。
ソフィアから東へ230kmほどの場所にあるアルバナシという町へ行きました。
こちらは、オスマン朝時代の様式が残る住宅の一室です。

部屋って言えば、ほぼま四角であるという、自分の常識が覆されました。
家の外観は概ね直方体なので、まさかこんな部屋があるとは予想していませんでした。

ちなみに窓も面白いです。


やっぱり、まっすぐじゃないんですね。
不思議と垂直水平より景色として面白いんじゃないか、素敵なんじゃないかと思えてきます。

家の中がまた大層、不思議でしたのでご紹介します。


どの部屋にも、大きなベッドと暖炉(写真左側)があります。
そしてお盆にのった茶具。
家主さんに聞いた話では、当時は家族みんなでねっころがっていたそうです。
寝ながらお茶か、、この家に居たら、お昼休みが永遠に続きそう、、、。
ガイドブックによると、やはり財力のあるお宅だったそうなので室内の様相に納得がいきます。


トルコの雰囲気漂う暖炉。

 

 


これなら換気もできますね。
そういえば、周辺の家々は煙突がついていました。

調理器具が一緒に展示されていたのでおそらく台所でしょう。

 

 


純白の天井と暖炉にレリーフが入っており、細部までとても魅力的でした。

ドアの釘も、お手製の味わいが残りますね。

 


外観はこのようなお姿です。
ブルガリア散策で見た、つぎはぎハウスを思い出します、、、。


アルバナシの他のお宅です。煙突が立派ですね。

アルバナシという町は、昔の住宅の景観を保持しており、全体で統一感がありました。
近代的な建物は一つも出会うことなく、本当に知らない国に迷い込んだ気分になります。

そんな気分に浸っていたのですが、、、
実は此処、よくよく観察すると沖縄の風景に似ていました。

場所が離れていても、気候などのその土地の環境によって建材や構造が類似するという話は
聞いたことがあるのですが、まさか目の当たりに出来るとは、、、。

そういえば、ここにたどり着く道中で見た、赤い土も、
周辺の家々の屋根瓦の色によく似ていたのを思い出します。


元々その土地にある自然環境とそこに住む人達の生活は、切っても切れない関係だなあと
屋根をみながらふと思いました。

という訳で最後に、沖縄の風景によく似たアルバナシの町並みをリポートしたいと思います。
(個人的に、この二つの土地の共通点が有るのか無いのか気になるところです、、、。)
海は無いのですが、石垣と朱色の瓦、そしてちょうど開花していた桜(にとても似ていた木)、、、
シーサーこそいないのですが、、、ちょっと日本に居るかのような錯覚になりました。

 

 

 

 

最後まで、読んで下さってありがとうございました。

ブルガリアのいろんな家が見られて大充実の旅となりました。

では、また!