当店の建具を使って作家の山口藍さんが作品を制作されたので、ご紹介致します。
古いものが点在する展示室の中に、つるり、きらりとひかる陶器やガラス。
新しいものたちの世界の中に日本の古いものたちの姿が見えます。
古い杉戸の中に、すっぽりと人が棲んでいる・・・
不思議な生命感は、印象的な浅葱色の目からくるものなのでしょうか。
会場にお邪魔して直接拝見できなかったのですが、
人の肌が視覚的にというより印象としてくっきりと心の中に残る感じがします。
描かれているどの人もかわいらしさと艶かしさが両方入っているような・・・
いただいたお写真を観ているだけでも本当に吸い込まれそうです。
こちらの作品は、絵の中の空間の奥行きや隔たりを
木の自然な淡い色調の違いで表現されています。
キャプションの素材の欄に、柿渋の文字があったのですが、、、
この素晴らしい色調に柿渋も一役買ったのでしょうか・・・。
近くでみると細やかな技法や質感の違いが見えてきます。
杉戸の木目がうっすら透けてみえる・・と目で追っていると
背景の植物の奥行きは透けで表されていることに気がつきました・・・すごい・・・!!
絵の中の誰とも目が合わないのですが、それがまた
観賞しているこちら側が、見つめている、覗いているという感覚を際立たせるのでしょうか。
だんだんとドキドキしてきてしまいます。
会期はすでに終わってしまいましたが、現地で拝見したかったです・・・!
いつも見ている古い建具の木の質感がこんな風に作品として昇華するなんて、、、と、ただただ驚きました。
山口藍さんのHPはこちらです。
今回の展示の3Dアーカイブはこちらからご覧いただけます。