ウィリアム・モリス展

横浜のそごう美術館で開催されていたウィリアムモリス展に閉幕ギリギリに滑り込み見学してきました。

 

1800年代初期からモリスの活躍していた時期、モリス以後の順番の展示構成でした。
目の贅沢とはこのことだよなーと思いつつ、気がつけば2時間半も会場で惚けていました。

 

壁紙がレリーフの代わりになっていた時代のデザインから、
これはもう紙素材にみえないぞという質感のもの
(金唐革紙というそうです。陶器の金の装飾みたいに見えました)
まで色々ありました。

 

壁紙は部屋に貼られるものなので、部屋に合わせた工夫も
紹介されており、その説明に思わず唸りました。

 

例えば、ガス灯が家庭に登場するようになってからは
その明るさの元で見て美しくみえるようなデザインにしてみたり、
ガラスの破片を紙にくっつけてキラキラさせてみたり、
様々な試みの歴史があったんですね。

 

きらびやか、華やかな手法は数多く生まれたものの、
モリスが作り出した壁紙のデザインは華美とは言えない感じのテイストです。

植物のモチーフを無限に広げられるような模様の構成、
植物が生命感を保ったまま自然さを失わずに紙に収められているのには
やはり驚いちゃいました。
有機的なんだけどきちんと模様として成立しているというか・・・
凄技ですね。もちろん配色もすごかった・・・!

 

こちらはジョンヘンリーダールのデザイン。ウィリアムモリスの後を引き継いだ人の作品です。

 

このかたの作品も素晴らしかったです。
モリスのテイストを守っているのですが、さらに昇華している感じがしました。
簡潔な1種のモチーフでも、ここにこれを配置、然り、、、というような。
本当に見惚れてしまう完成度でした。

 

全て人の手で刷られる壁紙はやはり高価ですが、刷る回数を減らすことで
安価で提供できるものもあったようです。
モリス社のありがたいお心遣い・・・。
より多くの人に自分たちが作ったものが使われ、モリスの考えが広がっていくことを願っていたんでしょうね。

 

家の中を好きなものできちんと満たすこと。
日常を自分が選んだ大事なもので満たすって贅沢なことなのかもしれないけれど
毎日の暮らしの中で絶対じわじわといい影響が出そうだよな・・・とひとりごつ帰り道でした。